Jアラートの目的や仕組みについて解説
正式名称を「全国瞬時警報システム」といい、緊急地震速報、津波警報、弾道ミサイル情報など、対処に時間的余裕のない事態に関する緊急情報を、スマートフォンなどを通して住民へ瞬時に伝達する「Jアラート」。2007年2月に実運用がスタートしてから、15年が経過しようとしています。
地理的に地震の発生が多く、北朝鮮が弾道ミサイル発射を断続的に実施している現状において、Jアラートの意義は大きなものがあります。
本コラムでは、Jアラートを活用して住民に適切な情報を届けるために知っておきたい、 Jアラートの基本情報として、その目的や仕組みをご紹介いたします。
1.Jアラートの目的
Jアラートの目的は、緊急地震速報、津波警報、弾道ミサイル情報といった、対処に時間的な猶予のない緊急事態の発生を国民に伝え、迅速な避難行動を促すことです。
Jアラートのメリット
Jアラートには、次の3つのメリットがあります。
瞬時に情報伝達が行える。
Jアラートは、発信後、受信機まで1~2秒程度、放送開始まで平均10秒程度しか、かかりません。
テレビやラジオを点けていなくても伝達できる
スマートフォンやケーブルテレビなど通じて伝達されるため、テレビやラジオを点けていなくても国民へ伝達することが可能です。
人手を介さずに音声放送が可能
人手を介すことなく、状況に応じた多様な音声を放送することができます。
2.Jアラートで伝達される情報
Jアラートで伝達される情報には、次の25種類があります。
・弾道ミサイル情報
・航空攻撃情報
・ゲリラ・特殊部隊攻撃情報
・大規模テロ情報
・その他の国民保護情報
・緊急地震速報
・大津波警報
・津波警報
・噴火警報(居住地域)
・噴火速報
・気象等の特別警報
・東海地震予知情報
・東海地震注意情報
・震度速報
・津波注意報
・噴火警報(火口周辺)
・気象等の警報
・土砂災害警戒情報
・竜巻注意情報
・記録的短時間大雨情報
・指定河川洪水予報
・東海地震に関連する調査情報
・震源・震度に関する情報
・噴火予報
・気象等の注意報
このうち、太字にした11情報については、原則として、市町村防災行政無線(同報系)などを自動起動させる設定になっています。
3.Jアラートの仕組み
Jアラートの仕組みは、上図の通りです。
まず、内閣官房や気象庁、消防庁から消防庁の送信システムへ、武力攻撃情報や津波警報、緊急地震速報といった情報が伝達されます。
すると、消防庁から人工衛星を通じて各市町村の庁舎などのJアラート受信機へ、情報が伝達されます。
そこからさらに、音声IP伝達、庁内放送、コミュニティFMといった各種外部インターフェースへ情報が伝達され、国民へ情報が届くという仕組みになっています。
このほか、気象庁や、消防庁の送信システムから直接、携帯電話会社へ情報伝達が行われるエリアメールや緊急速報メールもあります。
4.まとめ
Jアラートは、緊急地震速報や津波警報、弾道ミサイル情報などの、対処までに時間的猶予のない緊急事態の発生を素早く国民に伝え、迅速な避難行動を促す目的でつくられました。実際に、発信から受信機まで到達する時間は1~2秒程度、放送開始まで平均10秒程度しか、かからず、瞬時に情報伝達が行える点が大きなメリットとなっています。
理経では、Jアラートにプラスすることで、新たな住民サービス、機能、接続を実現する、関連ソリューションを提供しています。
たとえば、Jアラート受信機から離れた場所にいてもモバイルで音声を確認できる「音声ソリューション」や、アラート受信した情報の中から、市町村で必要とされる部分のみを抽出した情報電文をメール送信する「メールソリューション」などをご用意しております。
詳しくは、Jアラート関連製品のページをご覧ください。
お困りごとがありましたら、お気軽にご相談頂ければと思います。