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放送品質のOTTストリーミング配信を実現するMediaKind Aquila Streaming

放送品質のOTTストリーミング配信を実現するMediaKind Aquila Streaming

インターネットを通してさまざまなコンテンツを視聴者にとどけるOTTサービスが盛り上がっています。世界的な新型コロナウイルスの広がりによる巣ごもり需要や、動画・音楽をサブスクでいつでも好きな時に好きな場所で楽しむライススタイルの広がりの影響もあるでしょう。筆者もいくつかのサブスクを利用していて、名作の映画を楽しんだり、見逃せないスポーツの試合を観戦したりと時間が足りないくらいです。

また、この盛り上がりをビジネスチャンスと捉えている方もいらっしゃると思います。しかし、OTTサービスを提供するにはどんな機材をそろえ、どんなサービスを利用すればいいのかよく分からないとお困りにかもしれません。既にサービスを利用されている方は、より使い易いシステムや高い機能を望まれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

当コラムでは、MediaKind社が提供するAquila Streamingという放送品質のOTTサービスを構成できる製品をご紹介します。

1.Aquilaとは

MediaKind社は、コンテンツ配信プラットフォームとしてAquila(アクラ)というブランド名で3つのラインナップを提供しています。

Aquila Streaming:放送品質のストリーミング配信を実現するソリューション
Aquila Broadcast:放送局設備のIP化などに取り組むためのソリューション
Aquila On-Demand:ファイルベースのコンテンツの取り込みや変換、保存、配信などビデオオンデマンドを実現するソリューション

こちらではAquila Streamingについて解説します。

2.なにが出来るの?

Aquila Streamingは、さまざまなタイプの入力信号を取り込み、エンコードして、各種メジャーな出力フォーマットに変換して配信するソフトウェアベースの製品です。その大きな特徴は、MediaKind社の高い技術により実現する配信帯域の削減と低遅延です。

なにが出来るの 説明イメージ

単にソフトウェアベースといっても提供方法は3つあります。1つ目は、オンプレミス環境に簡単に導入できるアプライアンス。2つ目は、オンプレミスの実サーバだけでなく、データセンターやプライベートクラウド、パブリッククラウドに導入できるソフトウェア。3つ目は、すぐにサービスを使えるSaaS。この3つの提供方法から、検討しているサービスや既存の環境にあった形態をお選びいただけます。

Aquila Streamingがどのような信号を取り扱えるかみてみましょう。ソフトウェアタイプの製品とアプライアンス型の製品で受けられる信号に若干の違いがあり、ソフトウェアタイプはIPで配信されるMPEG-2TS(MPTS&SPTS), RTMPや非圧縮信号のSDI over IP(ST2022-6), SMPTE ST-2110を受けられます。アプライアンス型はこれらに加え、3G/HD/SD-SDIをオプションで受けることができます。

ビデオコーデックとしては、HEVC(Main, Main 10プロファイルに対応)、H.264 (Baseline, Main, Highプロファイルに対応)、MPEG-2を備えています。このあたりについては、MediaKind社のデータシートによると以下のスペックとなっています。

なにが出来るの 説明イメージ

なにが出来るの 説明イメージ

Aquila Streamingから出力されるストリーミングは、さまざまなデバイスで視聴できるように、Apple HTTP Live Streaming (Over CMAF or TS)はもちろん、Microsoft Smooth Streamingや DASHでも送信できます。またチャンクによる低遅延を実現するためにCommon CMAF segment delivery for HLS and DASHやLow Latency Chunking support for DASHというフォーマットタイプもあります。

デジタル著作権管理についても、PlayReady DRM、 FairPlay、Widevineに対応しています。詳しくは弊社までお問い合わせください。

お困りごとがありましたら、お気軽にご相談頂ければと思います。


3.配信帯域の削減と低遅延

この項では、特に注目すべきAquila Streamingの2つの特徴をご紹介します。

Constant Video Quality

ビデオをエンコードする際のビットレートコントロールに、CBR(固定ビットレート)とVBR(可変ビットレート)だけでなくConstant Video Quality(CVQ)というMediaKindのテクノロジーが用いられており、ビデオの品質を保ったまま帯域幅を数十パーセント削減することができます。

低遅延

視聴者へコンテンツを届けるときに、エンコーダサイドやプレイヤーサイドなどで、どうしても遅延が発生してしまいます。Aquila Streamingでは、この遅延を大幅に縮めるために2つの技術を採用しています。

その一つが、Common Media Application Format Low Latency Coding (CMAF LLC) with HTTP/1.1 Chunked Transfer Encoding (HTTP/1.1 CTE)です。この技術自体は他社サービスでも用いられています。CMAFはApple社により開発されたHLSとISO国際標準規格のMPEG-DASHという出自の違う2つのフォーマットを統一して扱うための規格で、HLSやMPEG-DASHは動画ファイルをフラグメント化されたセグメントという単位で扱いますが、このCMAFではこのセグメントをさらに分割したチャンク(Chunk)に分けて処理します。90年代にHTTP1.1 で実装されていたChunked Transfer Encodingを使う事により、コンテンツをファイル単位ではなくチャンク単位で分割送信でき、視聴側はチャンクと比較してデータサイズの大きいセグメントがバッファされるのを待つことなくチャンク単位で受け取って再生することができます。そのため、低遅延に繋がります。

もう一つの技術が、MediaKind Direct pathテクノロジーです。従来はエンコーダからパッケージャに渡される際に、一度バッファされてマルチビットレート変換が施されていたため処理時間がかかっていました。しかし、MediaKind Direct pathによってパッケージャはピクチャー単位でデータを取得できるため、遅延が少なくなります。

低遅延 説明イメージ


おわりに

放送品質のOTTのストリーミング配信を実現するMediaKind Aquila Streamingについて、基本的な情報をご紹介しました。弊社ではMediaKind社をはじめとして、いくつもの先進的なベンダーの製品を扱っており、配信基盤から視聴デバイスまで一貫して提供しています。OTTサービスの立上げや更新をご検討の際は、弊社までぜひ一度お声がけください。

引用:MediaKind社

引用:Aquila Streaming

引用:MediaKind Direct path


お困りごとがありましたら、お気軽にご相談頂ければと思います。

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